東京11レース

ヴィクトリアマイル

ヴィクトリアマイル平均ラップ
12.2-10.8-11.3-11.5-11.6-11.4-11.4-11.9=1.32.1
34.3-23.1-34.7

東京芝1600mは、スタート後250m地点まで下りが続くために
前半の入りが速くなりやすい。
そこで2mの坂を上がり、そこから緩やかに坂を下りながら
直線を迎える。
ラスト2ハロン地点で2mの坂を駆け上がる構造になっている。

坂を2回登るため、途中で息を入れたいところで息を抜くことが出来ない。
ゆえに、中距離を走れるスタミナが要求されるといわれている。
先行馬にとっては極めて厳しい条件となっている。

ヴィクトリアマイルが実施される時期は時計が速くなりやすい傾向にあり、
Bコースを使用されることで速さに拍車がかかっている。

上り最速を出した馬の成績は、
0-1-1-3
となっており、差し届かないケースが続いている。

本来は先行馬が厳しい条件であるが、
ラップの起伏が少ない一貫ラップを踏む結果となっている。
ラスト1ハロンも11.9で乗り切れるくらいに時計が出る馬場であり、
先行馬に有利な条件となっている。

ここ数年は大きく荒れる結果となっているが、
それは、中距離適性をベースにした底力重視の予想スタンスが
結果と乖離するためであると考えられる。

中距離で12秒~12.5秒の追走ラップに慣れている馬が戸惑う蓋然性が高く、
脚が十分に溜まらないままに凡走する危険性が生じる。
よって、安田記念とは異なり、高速ラップに慣れた短距離馬が穴をあけるケースが目立っている。

大阪杯
12.8-11.5-12.5-12.1-12.2-12.5-12.1-11.3-10.9-11.4
36.8-24.3-24.6-33.6
ラスト3ハロン地点で急加速するラップになっている、
実質的に上り3ハロンの競馬で、
逃げ馬と2番手がそのまま1、2着に入線するくらいに先行馬が有利な流れであった。
緩いペースを見越して早めにポジションを上げたショウナンパンドラであったが、
急加速地点と重なる地点の仕掛けであったため、
数字以上に長く速い上りを出していた。
強い競馬であったことは事実だが、ヴィクトリアマイルで想定されるラップ構成とは
異なるものである。

阪神牝馬S
12.8-10.8-11.6-11.9-11.8-11.1-11.3-11.8
35.2-23.7-34.2
完全な後傾ラップで、ラスト3ハロン地点で急加速をしている。
逃げたスマートレイアーはきっちりと脚を使い切った計算で、
理想的なレースであった。
ミッキークイーンは、急加速地点で一瞬置かれながらも
最速の上りで馬群を割って差し込んできた内容は優秀であり、
底力が上位のものだと判断出来る。

ダービー卿チャレンジT
12.5-11.3-11.5-11.6-11.4-11.1-11.5-11.9
35.3-23.0-34.5
前半の入りこそ遅いものの、キャンベルジュニアが中盤を緩めない逃げを打ったため、
息が入らない厳しいレースとなった。
こういった流れを得意とするロゴタイプが2着に入線する中で、
最速の上りで差して勝ち上がったマジックタイムは強い競馬をしていた。
インがぽっかりと開いた幸運があったにせよ、末脚の信頼性は高く評価できる。

京都牝馬S
12.4-11.3-11.5-11.7-11.5-12.1-12.4
35.2-36.0
重馬場でもラップに緩みがなく、後半の上りがかかるタフなレースであった。
事実、逃げた馬が9着、2番手と3番手につけた馬が14着、17着と壊滅していた。
クイーンズリングは、好位追走から早めに3番手まで押し上げるレースをしながら、
マジックタイムの追撃を抑えてそのまま押し切る極めて強い競馬をしていた。

中山牝馬S
12.8-12.7-12.9-13.1-12.2-11.5-11.8-11.6-11.7
38.4-36.8-35.1
前半の入りが著しく緩く、中盤も緩い完全な後傾ラップであった。
レースレベルが著しく低く、ヴィクトリアマイルを考えた場合、
ほとんどの馬は追走に苦労すると考えられる。
落鉄があったにせよ、ルージュバックが負けたのは評価できない。

高松宮記念
11.7-10.1-10.9-10.8-11.1-12.1
10秒台がずらりと並ぶ高速ラップで、ラスト1ハロンで1秒も急落するくらいに
厳しくタフな流れであった。
ヴィクトリアマイルで穴をあけるパターンは高速馬場での先行流れ込みであるため、
高松宮記念出走馬は要注意であるが、レッツゴードンキを代表に、
ほとんど高速ペースについていけず、評価できる馬は存在しない。

秋華賞
12.0-10.5-11.3-11.6-12.0-12.3-11.9-11.8-11.6-11.9
33.8-23.6-24.2-35.3
前半が速く、中盤でも緩みがない前傾ラップとなっている。
ミッキークイーンは、中段のポジションから3番目に速い上りで差し切った。
2着には14番手から最速の上りで追い込んだクイーンズリングがタイム差なしで
入線した。
14番手、9番手、15番手、16番手が上位入線するくらいに後方待機で
脚を溜めた馬が嵌ったレースで、中段につけながら差し込んできたミッキークイーンは、
末脚の信頼性はかなり高いものであると判断出来る。

オールカマー
12.5-10.9-12.4-12.4-12.6-12.6-11.9-11.7-11.4-11.7-11.8
ショウナンパンドラが出世するきっかけとなった伝説の高レベルレース。
中盤が緩んでいるものの、ラスト5ハロンにわたって11秒台が並ぶ後傾持続戦であった。
タフな流れで差し切ったショウナンパンドラの末脚の信頼性は高いと判断出来る。

結論
ヴィクトリアマイルが実施されるBコースの高速馬場や、
最速上がり馬が差し損ねるレース傾向から穴を警戒していたが、
高速ラップに慣れた短距離からの転戦馬に評価出来る馬が存在しない。
特に1200m戦の高松宮記念出走馬を注意したが、
高速ペースについていけない馬ばかりだった。
今年は、例年の傾向と異なり、底力に優れる馬がきっちりと上位入線する
レースになると判断した。

本命は、ショウナンパンドラ
他馬とは地力が違いすぎる。
スピード戦が懸念されるが、2014年秋華賞のラップを取り上げる。
12.0-10.7-11.8-11.8-11.7-12.2-11.5-11.7-11.8-11.8=1.57.0
34.5-23.5-23.7-35.3
9番手追走から早めに5番手に押し上げるレースをして
2番目に速い上りで差し切っている。
勝ち時計も極めて速く、スピード競馬に対して懸念する必要は一切ないと断言出来る。