京都11レース

天皇賞・春

天皇賞春平均ラップ
13.0-11.8-11.8-11.9-12.2-11.9-11.8-12.9-12.7-12.6-12.5-12.3-11.9-11.7-11.6-12.1=3.15.5
4F×4で表記
49.3-48.8-50.1-47.3

京都芝3200mは、約4mの山登りを2回行うコース設定になっている。
ポイントは、2回目の山だ。
残り6ハロン地点から残り4ハロン地点にかけて約4mの山を登り、
残り4ハロン地点から0.5ハロンで約4mの坂を一気にくだる。
そこから先は直線平坦が待っている。

ラップ構成を見た場合、ラスト4ハロンか5ハロン地点からラップが上がる
ケースになるのが特徴である。

山の頂点手前、つまり坂を駆け上がる地点から加速をした場合、
完全なる底力勝負となり、昨年のフェイムゲームの様な後方待機の底力特化型の
馬が台頭してくる。

坂の頂点を境に坂を下りながら加速を始める場合、ラスト4ハロンの持続力勝負となり、
中距離実績を伴うスピードタイプの馬の出番となる。

後方待機馬であれば、ゴールドシップの様なまくりタイプ、
先行馬であれば、早めにスパートをかけて脚をなし崩しに使わせるタイプが
いれば5ハロン手前から加速ラップを踏む消耗戦となるが、
本レースにおいては、出現しないという判断だ。

どんなラップ構成になったとしても、ラスト1ハロンはラップが急落する。
いかにスタミナがあろうとも、そもそものスピードの絶対値が低い場合、
消耗度が激しくなるのが必定。
中距離レースにおける持続戦好走実績は必須となるのだ。

阪神大賞典
13.0-11.6-12.5-12.2-12.3-12.2-12.6-13.7-13.3-12.6-12.3-11.9-11.6-11.6-12.4
ラスト4ハロンからの持続戦。
加速ポイントから捲っていったシュヴァルグランは強い競馬をしている。

大阪杯
12.8-11.5-12.5-12.1-12.2-12.5-12.1-11.3-10.9-11.4
ラスト3ハロンで急加速。先行馬有利で後続はなし崩しに脚を使わされた計算。
キタサンブラック武豊Jが演出したラップは完璧だった。
驚くのは、58kを背負いながら急加速ラップを踏み、
しかも10.9秒を叩き出している点だ。
相当なパワーと能力がなければ出来ない芸当で、
キタサンブラックはレースの巧さばかり強調されているが、
G1級の資質があるとしっかり認識すべきだろう。

日経賞
7.0-12.1-12.6-13.1-13.1-13.7-13.5-13.2-12.4-12.2-11.8-10.9-11.2
中盤が明らかに緩く、実質ラスト3ハロンの競馬。
ラスト2ハロンで10秒台まで急加速しているくらいに先行馬有利の流れ。
56kのサウンズオブアースは勝たなければいけない競馬で、
58kゴールドアクターとの勝負付けは済んだ印象。
レースそのものは評価に値しない。

京都記念
13.0-12.0-13.0-13.0-12.6-12.7-12.4-12.3-12.1-12.1-12.5
馬場コンディションが悪く、レースとしての評価は度外視するべき。
前半は馬場が悪いとはいえ明らかに緩く、後傾持続戦であった。

日経新春杯
13.1-11.2-11.8-13.0-12.9-12.4-12.8-12.0-11.6-11.7-11.8-11.6
ラスト5ハロンが速い持続戦となった。
坂の頂点手前から加速を続け、最後も失速しない流れの中、
最後方から最速の上りで差し切ったレーヴミストラルは強い競馬をしていた。
しかし、4ハロン目と5ハロン目が明らかに緩く、脚を溜められた点が大きかったと
判断出来る。
天皇賞は2回の山登りがあるうえ、ここまで緩んで脚を溜められるとは考えられず、
追い込み一手の競馬ではさすがに厳しいと判断せざるを得ない。

有馬記念
7.0-11.7-12.2-12.5-12.7-12.8-12.6-12.6-12.0-11.9-11.5-11.3-12.2
ラスト5ハロン地点から加速を続け、後続が差を詰める隙を与えない
先行有利の流れであった。
キタサンブラックにとっては勝っていきたいレースであったことは事実だ。
評価としては、それでも差を詰めたアルバートやアドマイヤデウスに着目しておきたい。
能力面で劣ることはなく、完全なる位置取りの差が結果につながったものと判断出来る。

ステイヤーズS
13.2-11.7-13.0-13.6-13.0-12.6-12.0-12.6-12.4-12.5-13.3-13.2-13.1-12.4-11.6-12.0-11.8-11.9
緩急入り乱れる厳しいラップ構成であった。
ラスト5ハロンが速い持続戦となっており、しかも11.6まで急加速するポイントも出現している。
直線だけで0.8秒もちぎり捨てたアルバートはメンバーレベル抜きにして相当強い競馬をしている。

菊花賞
12.7-11.1-11.6-12.3-12.5-13.1-13.7-13.7-11.8-12.1-12.0-11.9-11.6-12.2-11.6
京都3000mはラスト6ハロン地点から山登りに差し掛かる。
ラップ構成を見ると、山の登板ポイントから加速を続けている計算となり、
相当な持続力が要求される展開となっていた。
勝ったキタサンブラックは挙動が巧みであったことが評価されているが、
これだけの厳しい流れに対応できた点を評価すべきであり、
資質の幅が大きいと考えるべきだろう。

4ハロンの持続戦、2回の山登り、中距離実績を考慮すると、
結論はキタサンブラックに行き着く。
逃げる展開になり、早めに捲り上げる馬が出現した場合は馬券をあきらめなければ
ならないが、武豊Jであれば好位のインに張り付くしたたかな競馬をしてくれるだろう。