中山11レース

皐月賞の結果

皐月賞過去5年ラップ構成(東京で開催された2011年は除く)
2010年ヴィクトワールピサ
12.1-10.9-12.4-12.1-12.6-12.5-12.3-12.1-11.8-12.0=2.00.8
60.1-60.7
2012年ゴールドシップ
12.4-11.1-12.3-11.9-11.4-11.6-12.2-12.7-13.6-12.1=2.01.3
59.1-62.2
2013年ロゴタイプ
12.0-10.6-11.5-11.6-12.3-12.1-12.0-11.9-12.0-12.0=1.58.0
58.0-60.0
2014年イスラボニータ
12.3-11.4-11.9-11.9-12.7-12.1-12.0-11.6-11.7-12.0=1.59.6
60.2-59.4
2015年ドゥラメンテ
12.5-10.7-12.0-11.8-12.2-12.2-12.1-11.7-11.4-11.6=1.58.2
59.2-59.0

過去5年平均ラップ
12.2-10.9-12.0-11.8-12.2-12.1-12.1-12.0-12.1-11.9=1.59.3

中山芝2000mは、スタート後1ハロン経過すると約5mの坂を2ハロンかけて登り、
そこから2ハロンかけて4mの坂を下る。
そこから3ハロン平坦を走り、残り2ハロン地点から残り1ハロンにかけて約1mの坂を下り、
ラスト1ハロンで約3mの急坂を駆け上がるコース形態になっている。

弥生賞平均ラップ
12.6-11.2-12.3-12.8-12.8-12.4-12.0-11.9-11.6-12.1=2.01.7
皐月賞平均ラップ
12.2-10.9-12.0-11.8-12.2-12.1-12.1-12.0-12.1-11.9=1.59.3

弥生賞4分割ラップ
36.1-25.6-24.4-35.6
皐月賞4分割ラップ
35.1-24.0-24.2-36.0

弥生賞と皐月賞がリンクしない理由として、坂を駆け上がる前半の入りが明らかに
異なる点が挙げられる。
山登りを終えた後に12.8-12.8と息を入れられる弥生賞と12.0で推移していく皐月賞では、中盤の厳しさが違いすぎるのだ。
G1になると格段に厳しいペースになるため、弥生賞の成績をそのまま鵜呑みにすることが出来ない。

ゴールドシップの年は中盤に11秒台が3つ並ぶ異様なハイペースで推移する消耗戦となっており、
先行馬が壊滅する異例のラップであったが、
基本的にはラップの起伏が少なく、急加速ラップは出現しない。
前半に5mの山登りをハイペースで行うために、先行馬が急加速出来るほどに余力が残されていないためである。

前半の登板が大きなポイントであり、
それを踏まえて中盤の厳しさとともに、
一貫して速いラップでも持続できる底力をポイントに予想を組み立てていきたい。

今年のトライアルからみていこう。
弥生賞
12.5-10.5-11.3-12.2-13.0-12.8-12.5-12.5-11.3-11.3
34.3-25.2-25.3-35.1
弥生賞と皐月賞がリンクしない話、急加速ラップを踏めることはそれだけ先行馬に余力がある話を
してきたが、本レースは逆に相当に先行馬に厳しいレースであった。
事実逃げた馬が12着、2番手が11着、3番手が8着に敗れている。
登板する前半の入りが34.3と皐月賞と比較をしても極めて速く、終盤で先行馬が失速する要因になっている。
ここを引っかかりながら4番手につけたリオンディーズは完全に失速してもおかしくない流れであった。
中盤で一気に緩むものの、そこから早め2番手まで押し上げたリオンディーズが急加速ラップの出現の
起因となっており、結果的にそれが先行馬壊滅の致命傷になっている。
力で先行馬をねじ伏せた印象だ。
整理すると、登板の前半をゆっくり入り、中盤緩んだところでポジションを押し上げ、
ラストで一気に瞬発力を発揮したマカヒキに完全に嵌った流れであって、
リオンディーズにとっては、自滅してもおかしくない自爆的なレースであった。
にもかかわらず首差2着に入線するのだから、その能力に疑いを持つ余地はない。
間違いなくマカヒキを逆転出来るはずだ。
この評価にはラップ的な観点から絶対の自信がある。
実は、4番手につけたエアスピネルにとっても厳しい流れであったことは明白で、
評価されているほどにマカヒキとは差をつけられない。
リオンディーズ>マカヒキ=エアスピネル
の序列で考えたい。

スプリングS
12.7-11.5-11.8-12.3-12.0-11.6-12.0-11.6-12.6
緩みがない点は評価出来、ラスト1ハロンで失速するラップ構成から先行馬に厳しい流れ
(2番手、3番手追走馬が10着、11着と大敗)であった。
しかし、登板の前半3ハロンの入りが36.0と緩く、35秒台になる皐月賞のラップになった場合、
さらに1ハロンの延長に対応出来るかとなると厳しいと言わざるを得ない。
穴人気のロードクエストにとっては、ラストの失速に乗じて差し切らなければならない流れであった。
前半に最後方に置かれ過ぎた感も否めず、1秒は速い入りになった場合、追走に苦労するだろう。
馬券的に先行したマウントロブソンは距離短縮のNHKマイルカップで狙いたい馬で、
ロードクエストは逆に距離延長の皐月賞でヒモ穴で狙いたい馬である。

若葉S
12.8-11.4-13.0-13.0-11.6-12.3-12.0-11.7-11.9-12.5
スタート後に坂を駆け上がる点(2m登板、中山はさらに厳しく5m)で似ており、
例年若葉S好走馬が穴をあけるが、本レースに関しては坂を上がった後に13.0-13.0と一気に緩んで息が入る
流れになっている点が皐月賞馬になるためには評価出来ないところだ。
ただし、そこから一気に急加速して残り6ハロンにわたって速い流れの中、3角から捲っていき
粘りとおしたアドマイヤダイオウは馬券圏内の穴としては十分に評価できるものと評価出来る。

きさらぎ賞
12.9-10.8-11.8-12.0-12.3-12.2-11.7-11.9-11.3
中盤に緩みがない中、ラストまで加速を続けるラップを最速の上りで0.6秒差をつけた。
特に3ハロンメモ11.8秒と息を入れるポイントが出現しない厳しいレースラップであり、
その流れでラスト3ハロンが速いラップになるのは、いくら京都の平坦といえども簡単な事ではない。
ゆえに、サトノダイヤモンドはその能力に疑いを持つことは出来ない。

阪神芝2000m(2歳戦)
12.9-11.4-13.5-12.9-13.1-12.8-12.6-11.8-11.5-11.3
完全なる後傾ラップで、実質ラスト3ハロンの競馬であった。
ラストで急加速出来るくらいに先行馬に余力がある流れ(逃げ馬2着、3番手2着、2番手5着)を
サトノダイヤモンドは直線だけで0.6秒もちぎり捨てた。
その末脚は怪物級であり、ディープインパクトを彷彿させるものであった。
しかし、皐月賞で要求される資質とは別次元のものであり、このレースの結果をそのまま評価することは出来ない。
ただし、きさらぎ賞では一転して緩みがないラップ構成となっており、
資質の幅を示す内容と評価出来るため、G1レベルであるという評価に異論はない。

共同通信杯
12.7-11.3-11.8-12.1-12.1-11.8-11.5-11.8-12.3
前後半イーブンで、緩みがない一貫ラップであった。
評価できる点は、3ハロン目も11.8と緩まずに息が入らない厳しいラップであった点だ。
稍重の馬場であったことを考えると評価出来るものであり、
皐月賞での前半の登板にも十分対応できる資質があると判断出来る。
ディーマジェスティには注意を払いたい。

朝日杯2歳S
12.5-10.8-11.4-12.6-12.7-11.9-10.8-11.7
中盤で緩み、ラストで急加速する流れを最後方15番手から最速の上りで差し切った
リオンディーズは相当に強い競馬をした計算になる。
事実、2番目に早い上りを出したエアスピネルより0.7秒も速かった。
急加速ラップでも難なく対応出来る資質を示しており、
弥生賞で見せた持久力を考えれば、少なくとも皐月賞を勝つための死角は考えられない。

本命は、リオンディーズとした。
弥生賞のレベルはかなりのもので、この馬が他馬に負けるシーンは考えられない。
ドゥラメンテよりも強い競馬を見せてくれることを期待したい。

◎リオンディーズは5着に敗れ、不的中となりました。